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大國魂神社(府中市)の御朱印と見どころ

大國魂神社の紹介

府中市にある大國魂神社の参拝レポートです。

読み方は「おおくにたまじんじゃ」です。この地域のご祭神を集めてお祀りした「武蔵国総社」です。武蔵国の一之宮から六之宮までを合わせ祀っているため六所宮(ろくしょぐう)とも称されています。かつての准勅祭社で、東京を代表する神社の一つでもあります。例大祭の「くらやみ祭り」でも知られています。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

府中の「大國魂神社」へ

僕は以前、一度だけ大國魂神社には訪れたことがありました。2年程前の春で、境内のしだれ桜がとても綺麗だったことを覚えています。

そして今回、もう再度大國魂神社に行ってみたくなり、嫁と二人で出掛けることに。

大國魂神社は府中にあります。僕は普段府中と言うのはなかなか行く機会がない街ですので、どうせなら大國魂神社周辺の神社巡りも兼ねて出掛けました。

事前に周辺の神社を調べたところ、けっこうたくさんの神社があったんですよ。

で、南武線の府中本町駅から行きましたので、駅から近いところから順番に回ります。

金比羅堂、熊野神社、妙顕神社、日吉神社、武蔵国府八幡宮と、五か所の神社を回り、最後の締めで大國魂神社へと向かいます。

大國魂神社はかなり大きな神社で、以前訪れた際にもたくさんの参拝者で賑わっていた覚えがあります。東京を代表する旧准勅祭社ですからね。この辺りでも一番大きな神社ですし。

しかしこの日回った五ヶ所の神社は、どこも人の気配が全くなく、僕と嫁しか参拝者がいない状態でした。ですのでかなり淋しい神社巡りです。もちろん他の方に気を遣わずに写真など撮れますので、それはそれで良いのですが…ずっと誰もいないと淋しくなってきちゃうんですよね。

人が多いともっと人のいないところに行きたくなり、人がいないと人恋しくて人がいるところに行きたくなるという、我儘で自分勝手な生き物ですね、私は。

そんな気持ちを抱きつつ、大國魂神社へと徒歩で移動します。

そして直前に訪れた武蔵国府八幡宮から歩くこと15分ほどで、大國魂神社に到着です。

なんと大國魂神社ではお祭りが開かれていて、屋台もたくさん出ていました。事前にお祭り情報など一切調べずに来てしまったので、嬉しい誤算ではありますけれど。

大國魂神社は、今まで回った神社で誰もいなかったのが嘘のように…たくさんの人で賑わっていました。

 

ご由緒

ご祭神は、大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)です。大國魂大神は、出雲大社のご祭神でもあり、国づくりをした神様である、大国主神(おおくにぬしのかみ)と同神です。

他に、小野大神、小河大神、氷川大神、秩父大神、金佐奈大神、杉山大神、御霊大神、国内諸神もお祀りされています。

創建は飛鳥時代よりも更に前、第12代景行天皇41年(西暦111年)です。大國魂大神がこの地に降臨し、人々が祀った社が起源だと伝えられています。

その後、第36代天皇である孝徳天皇の時代になると、武蔵の国府(国の政務を執る場所)がこの地に置かれることになり、大國魂大神が武蔵国内の祭りごとなどの統括する場所となりました。当時の社号は大國魂神社でした。そして、武蔵国内の著名な六社の神(小野大神・小河大神・氷川大神・秩父大神・金佐奈大神・杉山大神)を本殿の両側に祀り、「武蔵国総社」となり、六所宮と称されます。社号も武蔵総社六所宮へと改称されました。

その後、源頼朝や徳川家康などにも崇敬され、社殿の造営なども行われています。

江戸時代の初期には社殿が一度焼失しましたが、徳川第四代将軍、家綱の命により再建され、現在に至ります。

明治元年には、准勅祭社に定められます。(明治3年に准勅祭社の制度は廃止)

明治4年には、再び現在の大國魂神社へと改称されます。

毎年5月5日に行われる例大祭は、消燈した闇夜の中での「くらやみ祭り」として有名で、関東三大奇祭の一つに数えられ、都の無形民俗文化財にも指定されています。

武蔵国の総社として古くよりこの地に鎮座し、多くの参拝者が訪れる神社です。

 

境内案内

大國魂神社の入口は、府中駅から歩いてすぐの場所にあります。大きなケヤキ奥に鳥居と参道、そしてお祭りの屋台が並んでいるのが見えます。

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こちらは神社に向かい右側。御神木の大ケヤキです。

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こちらは左側の御神木です。右の木に比べると少し細いのですが、それでも迫力はあります。

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この日は秋祭りの真っ最中。「くり祭」のようです。参道に屋台が並ぶ景色がとても綺麗です。

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参道を少し進むと大な石鳥居。

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鳥居のすぐ脇には狛犬さんがいらっしゃいます。こちらは左の狛犬さん。

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こちらは右の狛犬さん。

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一礼して鳥居をくぐると、すぐ右手には稲荷神社。後ほど参拝させて頂くことに。

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参道は広くまっすぐ延びています。両脇には大きな木々が連なっていて、緑が綺麗です。

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少し進むと左に鳥居と社殿が見えます。こちらは源頼朝の妻、北条政子の安産を祈願した神社で宮乃咩神社(みやのめじんじゃ)です。安産の神様として崇拝されていて、たくさんの柄杓が奉納されていました。

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さらに参道を進むと、門が見えてきます。随神門です。その奥には拝殿も見えます。

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随神門の少し手前、左手には戦没者の慰霊碑。

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慰霊碑の前にも立派な狛犬さんもいらっしゃいました。

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随神門の手前、右手に手水舎です。この手水舎の彫刻が素晴らしかったです。

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手水舎には龍が二匹。

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お清めをして随神門に向かいます。門の手前には左右にそれぞれ参道があり、大國魂神社にはそちらからでも入ることができます。

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随神門をくぐります。扉には立派な菊の紋章。入口側には豊磐間戸命、櫛磐間戸命の像、拝殿側には恵比寿様と大黒様の像がありました。とても立派な門です。

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随神門をくぐると開けた空間が現れ、参道はさらに先へと続きます。

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門をくぐった左右には亀石と鶴石があります。とてもパワーを秘めた石だという話も。こちらが左の亀石です。

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こちらが右の鶴石。とりあえず両方撫でてみました。

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左の亀石の先に鼓楼(ころう)です。時刻や緊急事態を知らせるために太鼓を叩いた建物。こちらもかなり歴史の古いものに見えます。

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右手には大きな木の奥に宝物殿。参拝後にこちらにも立ち寄りました。中には大きな太鼓などがあり、珍しい物が色々あって、とても満足できる場所でした。

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参道の右手にしだれ桜。春に来た時には、この桜がとても綺麗でした。

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(追記:こちら、3月に訪れた際のしだれ桜です。)

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宝物殿としだれ桜の奥に神楽殿です。

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参道を進むと二つ目の門があります。中雀門(ちゅうじゃくもん)です。

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中雀門の手前にも狛犬さん。こちらは左の狛犬さんです。少し苔むしています。

大國魂神社の左の狛犬

 

こちらは右の狛犬さん。左の狛犬さんよりもかなり苔むしていますね。

大國魂神社の右の狛犬

 

中雀門の先に拝殿が見えます。

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門をくぐり拝殿へ。とても大きくて立派な拝殿です。

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参拝させて頂きます。

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拝殿に向かって左側に大きな社務所があります。こちらで御朱印を頂きました。

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こちらは左斜め前から見た社殿です。

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横からのアングルでも撮影。大きな社殿です。

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こちらは社務所側から見た境内です。開けていて素敵な景色です。

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社務所の奥には「人形(ひとがた)流し」と書かれたものが。気になったので行ってみると、人の形をした紙に自分の名前を書き、息を吹きかけて川に流すことで、厄や穢れを取り除くもののようです。嫁と一緒にやってみることに。人形に名前を書き、奥の川に向かいます。

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奥はちょっとした日本庭園のようになっていました。この川に人形を流します。

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人形流しを終え、再び境内を散策。こちらは社殿に向かって左側の奥へと続く道です。

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そこを進むと、まず左手に龍の口から水が出ている水神社。

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その先に松尾神社。こちらは醸造の神様が祀られています。

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さらに奥に進むと巽神社(たつみじんじゃ)。

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巽神社の前の社の前には狛犬さんがいるのですが、こちらの右の狛犬さんが、人面狛犬として有名みたいです。確かに人の顔をしているように見えますね。

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本殿の裏手を進みます。木が生い茂っています。おそらくこの森の向こう側には、僕がこの日最初に訪れた金比羅堂があるかと思われます。

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裏手の突き当りにも、大きくて立派な御神木の銀杏がありました。

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御神木を見上げると、吸い込まれそうで圧倒されます。

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そのまま進むと神馬舎です。中には白馬さんがいらっしゃいました。

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その隣には東照宮。二代将軍秀忠の命により建てられたとのこと。

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東照宮を護っている狛犬さんが特徴的でした。ちょっと怖い感じもしますね。

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東照宮の隣には、住吉神社と大鷲神社です。

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こちらの狛犬さんが可愛かったです。

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これで社殿を右回りで一周し、再び拝殿前に出る形に。

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こちらは拝殿側から見た参道です。この後宝物殿に寄り、先ほど通り過ぎただけの慰霊碑、宮乃咩神社、稲荷神社にお参りし、大國魂神社を後にしました。

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参拝を終えて

大國魂神社は、とても大きな神社でした。

お祭りが開かれていたこともあり、たくさんの人で賑わっていました。参道を屋台が埋め尽くしているのも、また素敵な景色でした。

この日は大國魂神社が六ヶ所目に訪れた神社だったのですが、それまで訪れた他の五ヶ所が、僕と嫁以外誰も参拝者がいなかったので…ギャップが激しすぎて。

見どころあり過ぎるくらいたくさんあって、写真も撮りまくってしまいました。この記事にも載せきれない写真がたくさんです。かなり枚数を絞ったつもりなのですが、それでも多くなってしまいました。

入口の大ケヤキや、本殿裏のイチョウは大きくて圧倒されます。境内社もたくさんありますし、自分的には容量オーバーしてしまうくらいです。

拝殿から奥に延びる道を進む際に、柵の隙間から本殿が少し見えるのですが、本殿の前には背の高い金と銀の狛犬さんが見えます。柵の外からでも、厳かな空気が伝わってきます。きっと中に入ったら空気が張り詰めている気がします。訪れた際には、是非覗いてみてください。

ちなみに宝物殿にはこの本殿を護る金銀の狛犬さんのレプリカが展示されています。かなり背が高く大きいもので、迫力がありました。

宝物殿では、狛犬さんのレプリカが僕は一番印象には残っているのですが、その他にも大きな太鼓などあって、けっこう面白かったです。入って損はないと思います。大人200円(著者参拝時)ですし。

この後、嫁と二人で府中の映画館で『君の名は』を観る予定だったのですが、まだ上映までけっこう時間がありましたので、ちょっとお酒を飲むことに。

参道の屋台でイカ焼きなどを買い求め、ビールも調達。入口の大鳥居の近くにテーブルと椅子が並べられていましたので、そこで昼間から宴です。大ケヤキを見上げながらのお酒は最高でした。外で飲むのって気持ちいいんですよね。

その後、ほろ酔いで『君の名は』を鑑賞し、感動し、大満足で帰路に就こうと思ったら…

大國魂神社の前の道路が何やら賑やかで。

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山車がたくさん出ていまして、それぞれ子供がひょっとこの面など付けて踊っています。

お祭りの雰囲気にテンションが上がってしまい、再び大國魂神社に寄ってみることに。

屋台の光で、夜の参道がどても綺麗でした。幻想的な景色になってました。

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一通りお祭りの雰囲気を楽しんだ後、帰路に就きました。

この日は全部で六ヶ所、府中の神社を回りましたが、どれもそれぞれ歴史があり、素敵な神社でした。

いい一日が過ごせました。

 

御朱印

こちらが大國魂神社の御朱印です。

大國魂神社の御朱印

 

御朱印の受付時間

御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から17時までです。

開門と閉門の時間は季節によって少しだけ異なりますが、6時30分から17時までの間でしたら、どの季節でも入ることができます。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都府中市宮町3-1です。

大國魂神社の公式サイトはこちらです。
https://www.ookunitamajinja.or.jp/

 

電車

京王線 「府中駅」から徒歩5分。

JR南武線・武蔵野線 「府中本町駅」から徒歩5分。

どちらの駅からでも同じくらいですが、表参道から入る場合には、府中駅からの方が少しだけ近いです。

 

駐車場

参拝者用の駐車場があります。200台停められる有料の駐車場です。

 

周辺のパワースポット

 

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