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上神明天祖神社【蛇窪神社】(品川区)の御朱印と見どころ

上神明天祖神社の紹介

品川区二葉にある上神明天祖神社の参拝レポートです。

読み方は「かみしんめいてんそじんじゃ」です。蛇窪神社(へびくぼじんじゃ)とも称され、「東京の白蛇さま」として親しまれている神社です。旧上蛇窪村の鎮守です。荏原七福神のひとつである弁財天もお祀りされています。最寄り駅は中延駅で、西大井駅からも徒歩圏内です。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

蛇窪神社といわれる「上神明天祖神社」へ

この日は嫁と二人で、朝から品川周辺の神社巡りをしていました。東京十社巡りの御朱印を頂くため、品川神社を訪れましたので、その足で周辺の神社も回ってみようと言う流れです。

品川神社は、京浜急行の新馬場駅のすぐ近くにあります。同じく新馬場駅の近くには、他に稼穡稲荷神社と荏原神社の二つの神社がありましたので、品川神社と合わせて三つの神社を回りました。

そして次に目指したのが、この上神明天祖神社になります。

上神明天祖神社は、先に挙げた三つの神社からは、近くにあるわけではありません。同じ品川区内ですが、少々遠いと言うか、行きづらい場所なんですよね。電車も何度か乗り換えなければいけませんし。

にも関わらず、なぜそこに向かったかと言いますと、もちろんそれには理由があります。当たり前ですけど。

実は、嫁の妹さんも神社が好きで御朱印を頂いたりしてるのですが、この上神明天祖神社に少し前に訪れているんです。で、素敵な神社だったと言う情報と、御朱印がかっこいいと言う情報を嫁が仕入れまして…。「私も行ってみたい」と嫁が言い出したわけですよ。

事前に場所を調べたところ、最寄駅は東急大井町線の中延駅です。東急大井町線と言う路線すら、僕は全く馴染みのない路線でして、もしかしたら一度も乗ったことがないかもしれないレベルです。

僕は三鷹に住んでいるのですが、電車ではなかなか行きづらい場所ですね。

しかし、ここに行くのでしたら、品川神社に行ったその足で行くのがベストかとも思われます。

嫁と協議を重ね、やはりこの機会を逃すわけにはいかないと言う結論に。

そんなわけで、新馬場駅周辺にあった三つの神社を回った後に、この上神明天祖神社に向かうことになったんです。

新馬場駅から品川駅へ、品川駅から大井町駅へ、そして大井町駅から中延駅へ。

小刻みな乗り換えを経て、上神明天祖神社の最寄駅である中延駅にようやく到着です。

季節は5月の中旬で、この日は朝から気持ち良い空が広がっていて、絶好のお散歩日和でした。午前中に回った三つの神社も、晴天の中での参拝でした。

しかし…。

天気予報が夕方から雨になってたんですよ。しかも雷マークまで出てる激しいやつです。

ちょうど中延駅に着いた辺りから、雲行きが怪しくなってきました。

そろそろ雨が降り出しそうな雲に覆われ始めていたのですが、雨の予報は夕方からでしたので、まだ大丈夫じゃね?と余裕をかましつつ、地図を頼りに上神明天祖神社を目指します。

しかし歩いているうちにも、どんどん空が暗くなってきます。

念のため折りたたみ傘は一本だけ持って来ていたのですが、できることなら傘をささずに参拝したいです。

そんな焦りの気持ちから、自然と歩く速度も早くなります。早足で歩き、中延駅から7~8分ほどでしょうか。

急激に暗くなる空の下、上神明天祖神社に到着しました。

 

ご由緒

ご祭神は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)天児屋根命(あめのこやねのみこと)応神天皇(おおじんてんのう)です。

天照大御神は、日本国民の総氏神で皇室の祖神です。天児屋根命は、岩戸の前で祝詞を奏上した神様で、春日大明神とも称されています。応神天皇は第15代天皇で、八幡神と同一視されています。

創建の詳しい年代やご由緒は不明で、いくつかの説があるようです。

鎌倉時代の中期に、北条重時の五男である時千代が、厳正寺と言うお寺を開きました。その後鎌倉時代の末期に、この厳正寺の僧侶が池の竜神に雨乞いの祈願をしたところ雨が降り、それに感激した時千代の旧臣らが、この地に神社を勧請し祀ったのが始まりとも言われています。

また、鎌倉時代に、この地の豪農であった森屋氏により創建されたと言う説もあります。

その後も確実な記録はないそうですが、有力な説として、村が分かれた際に神社も分かれたと言う説があるようです。当時この辺りは蛇窪村という地名でしたが、江戸時代の初期に上蛇窪村と下蛇窪村に分かれました。それに伴い、旧社名で神明社と称されていたこちらの神社も、上神明天祖神社、下神明天祖神社に分かれ、それぞれの村を護る神社となったと言う説です。

現在の社名になったのは昭和になってからです。また、蛇窪と言う地名も現在はなくなっています。

第二次大戦による戦災で社殿が焼失してしまいましたが、昭和36年に再建されています。

荏原七福神のひとつである、弁財天を祀っている神社でもあります。この弁財天のある場所には、昔白蛇が住んでいたと言われ、「東京の白蛇さま」とも称され親しまれている神社です。

この辺りの旧地名から「蛇窪大明神」とも称されています。

 

境内案内

こちらが上神明天祖神社の入口です。鳥居の先には参道が延び、奥には拝殿も見えます。

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一礼して鳥居をくぐります。この鳥居は、第二次大戦の戦災を免れたものとのこと。濃い緑が鳥居を覆うように茂っていて、見上げるとまるで森の中です。

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参道を進みます。参道の左手が少し広くなっていて、駐車場になっていました。

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参道の中ほど、左手には末社である稲荷社です。こちらには後ほど参拝します。

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拝殿へと歩を進めます。社殿を覆うように深い緑が茂っているのが見えます。

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その先には狛犬さんです。こちらが左の狛犬さん。子供が玉にじゃれていて可愛いです。

上神明天祖神社の左の狛犬

 

こちらが右の狛犬さん。こちらには子供が二匹です。狛犬さんの後ろには社務所があります。

上神明天祖神社の右の狛犬

 

その先、右手に手水舎です。

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お清めをします。

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手水舎の後ろには、土搗石(づつきいし)と書かれた石がありました。敷地を固めるのに使った石だそうです。写真少しブレてしまいましたが…。

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拝殿の正面に立ちます。両側には社殿を護るかのように、大きな木が茂っています。

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拝殿前には上神明天祖神社のご由緒書きです。

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参拝させて頂きます。

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参拝を終え、境内を散策してみます。こちらは拝殿を背にした参道です。

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拝殿の左手前には御神木のクスノキです。その奥には神輿庫が見えます。

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こちらは拝殿を左斜め前からのアングルで。クスノキ越しに。

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社殿の左奥に進むことができましたので、行ってみました。こちらからは奥にある本殿も見ることができます。

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再び拝殿前に戻ります。右奥に小路が続いていますので行ってみます。

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小路の先は「東京の白蛇さま」との案内。

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小路を抜けた先に、「撫で白蛇」と書かれた可愛らしい白蛇です。お参りし、撫でさせて頂きました。

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そしてこちらが、境内社である弁財天社です。左には大きな白い龍、奥には白蛇も見えます。この辺りで雨が降り出してきました。

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こちらが弁財天社への参道左手、大きな白い龍です。手水鉢に手が掛けられていますね。かなり特徴的で印象に残る造形の龍です。

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右手には白蛇の縁起が書かれています。この弁財天社は、もともとここに住んでいた白蛇が祀られているそうです。

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奥の祠へと進みます。祠を囲むかのように白蛇がいます。

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弁財天にも参拝します。白蛇も龍と同様、インパクトがあり記憶に残る造形です。

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少し写真がブレてしまいましたが、壁面にも白蛇が描かれていました。

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再び拝殿前に戻ります。じょじょに雨が強くなってきました。社務所で御朱印を頂きます。こちらでは上神明天祖神社、弁財天、蛇窪大明神の三つの御朱印を頂くことができます。

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拝殿に向かい参道の左にあった稲荷社に行ってみます。

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入口には稲荷社のご由緒。京都の伏見稲荷大社の御分霊を祀ったものだと書かれていますね。奥には白蛇と同じ造形のお狐さんも見えます。

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連なる赤鳥居をくぐり、稲荷社にも参拝します。祠の両側にいる神狐さんが気になります。

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こちらが左側にいた神狐さんです。白蛇と同じ造形で、なかなかインパクトがありますね。

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こちらが右の神狐さん。どちらも夢に出てきそうです。

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稲荷社の近くには「庚申橋」という橋げたがありました。大正末期まで実際に使われていた橋げたとのこと。

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雨が強くなってきました。雷も鳴り始めました。拝殿の前にテントがありましたので、そちらに避難します。

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この後ものすごい豪雨になり、結局30分ほどテントから動けませんでした。雨が小降りになるのを待ち、上神明天祖神社を後にしました。

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参拝を終えて

境内にて、豪雨に遭遇してしまいました。

僕たちが神社巡りを始めてから、境内でこれまでに遭遇した中で、一番激しい雨だったかと思います。

ちょうど境内を散策し終わった頃、身動きがとれないくらい激しい雨になりました。

拝殿前に休憩用のベンチとテントがありましたので、なんとか雨宿りをすることができました。テントの下にいても、そこそこ濡れてしまうくらいの雨の量ではありましたが。雷もすごかったですね。

途中、テントの屋根に雨水がかなり溜まってきてしまい、テントの骨組みから変な音が漏れ始め…いつ倒壊するのかと冷や冷やものでしたが、なんとか大丈夫でした。

結局30分ほど身動きが取れず、拝殿前でじっと雨宿りしていることに。

足止めを食った形ではありますが、激しい雨の中、神社の境内にいられると言うのは、それはそれで心地良いものがあります。

雨の音や雷の音を聞き、まるで洗い流されて行くかのような景色を見て、雨が通り過ぎるのを待ちます。

境内でそんなふうに過ごしたことがありませんでしたので、逆に新鮮でした。少しは豪雨を楽しめたのではないかと思います。

そんな雨の印象が強かった上神明天祖神社ではありますが、他にも印象的なものがいくつかありました。

弁財天社にいた、白い龍と白蛇。そして稲荷社にいたお狐さん。その造形が特徴的過ぎて、インパクト大でした。ほんとに夢に出てきそうなくらいなんですよ。

どれも真鍋勝さんと言う方の作とのことですが、なかなか強烈でしたね。忘れられません。

それに対し、弁財天社の前にいた「撫で白蛇」は、なんとも可愛らしい白蛇でした。

拝殿前にいた狛犬さんも、子供がじゃれている様子が可愛らしかったですね。

季節が5月でしたので、境内の新緑も綺麗でした。鳥居や社殿を覆うかのように茂っている緑が鮮やかで、それだけで癒されます。

白を基調とした社殿と緑の対比も素敵でした。社殿は左側から本殿まで見ることができました。

雨の中、この拝殿を前にして、じっと動かずに過ごしておりましたので、その景色が鮮明に記憶に残っています。

30分ほどで雨が小降りになり、上神明天祖神社を後にしたのですが、思わぬ豪雨に、のんびりと滞在させて頂きました。

そしてこちら、上神明天祖神社の金と銀の「龍の御鈴」です。

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これは僕たちが購入したわけではなく、嫁の妹さんが、僕たち夫婦にプレゼントにと買ってくれたものです。とても良い音色の鈴です。

この鈴の音を聞く度に、豪雨の中の上神明天祖神社を思い出しそうです。

変わった造形の白蛇や龍も。

豪雨に遭遇しましたが、とても気持ち良い参拝ができました。

訪れるこことができて良かったです。

この後僕たちは、上神明天祖神社と元々は一つだったのではないかと考えられている、下神明天祖神社へと向かいます。

 

御朱印

こちらが上神明天祖神社の御朱印です。

上神明天祖神社の御朱印

 

こちらが、荏原七福神の一つ、弁財天の御朱印です。

上神明天祖神社で頂ける弁財天の御朱印

 

こちらが蛇窪大明神の御朱印です。蛇窪大明神は、上神明天祖神社に祀られている神様の総称になります。

上神明天祖神社で頂ける蛇窪大明神の御朱印印

 

御朱印の受付時間

御朱印と御守りを頂ける時間は、9時から17時までです。

また、上記の他にも期間限定の御朱印などありますので、公式HPを参照してみてください。

(※お時間やご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都品川区二葉4-4-42です。

上神明天祖神社の公式サイトはこちらです。
http://hebikubo.jp/

 

電車

東急大井町線 / 都営浅草線 「中延駅」から徒歩7~8分。大井町線の出口は一ヶ所です。浅草線ですとA2出口からが近いです。

JR横須賀線 「西大井駅」から徒歩10~12分。

東急池上線 「荏原中延駅」から徒歩15~17分。

最寄駅は中延駅です。同じ大井町線の戸越公園駅、荏原町駅からも少し距離はありますが、徒歩圏内かとは思います。

 

駐車場

参拝者用の駐車場はありません。近隣にコインパーキングがあります。

 

周辺のパワースポット

 

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