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熊野神社(府中市/西府)の御朱印と見どころ

府中熊野神社の紹介

府中市西府町にある熊野神社の参拝レポートです。

読み方は「くまのじんじゃ」です。府中熊野神社(ふちゅうくまのじんじゃ)とも称されています。「武蔵府中熊野神社古墳」という上円下方墳が社殿の後方にある神社です。古墳は飛鳥時代の築造と考えられていて、国の史跡にも指定されています。最寄り駅は西府駅です。

序文に続き、ご由緒、境内案内、見どころ、御朱印、アクセスの順で紹介していきます。

古墳のある「府中熊野神社」へ

僕は以前、この古墳のある熊野神社と間違えて、別の熊野神社に行ったことがあるんです。

同じ府中市にあるのですが、競馬場の近くにある熊野神社で、どこを探しても古墳など全く見当たらず…。

どうやら完全に勘違いをして訪れてしまったようで、アホでした。

その時の僕は、「古墳ってどんなだろう?」とやけにテンションも高く、まだ見ぬ古墳にワクワクしていたんですよ。やや冷めた嫁とは対照的に。

だって、なかなか都内で古墳を見る機会ってなくないですか?

小さな「古墳ぽい」ものは僕も見た覚えはあるのですが、ガッツリとした「ザ・古墳」みたいなものって、なかなかない気がするんです。

ですので「府中の熊野神社に古墳がある」と知ったときには、ぜひ行ってみたい!見てみたい!と思ってしまったわけですよ。

事前に画像検索なんかすると、なんだか丸っこくて大きな古墳が出てきて、期待も高まります。

そして昨年の夏に、府中の大きな神社である大國魂神社への参拝を兼ね、府中の神社巡りを決行。当然そのコースには、熊野神社も入っていました。

しかし…その熊野神社が、古墳のない別の熊野神社だったんです。

自分のアホさを気付かされた瞬間です。

結局その日は古墳のある熊野神社には行けず。苦

ですので、いつかまた府中に出掛けよう、古墳を見に行こうと、虎視眈々とリベンジを狙っていました。

あれから一年と少し。ついにその時がやってきました。

秋のとある休日。

僕も嫁も特に予定がなく、録り溜めた映画でもダラダラ見ようか、なんて思っていたのですが、お昼前くらいに起きますと、外は快晴でポカポカ陽気。

これはどこかに出掛けなければもったいない!と。

とは言え、あまりにもダラダラと起きてしまったために、時刻は既にお昼です。

この時間からがっつり神社巡りとか、どこか遠くに行ったりとかは、ちと億劫です。

そこで突如浮かんだ案が、この「武蔵府中熊野神社古墳」です。

古墳見に行かね?と。

熊野神社があるのは、南武線の西府駅です。

僕は三鷹に住んでいるので、場所的にはそんなに近くもありませんが、遠くもありません。

そんなわけで、一年ちょっと振りのリベンジとして、古墳のある府中熊野神社に出掛けます。そこまで乗り気ではない嫁を伴い。

電車を乗り継ぎ、西府駅で下車。

そこから歩くこと10分ほど。

念願の「古墳のある方」の、府中熊野神社に到着です。

 

ご由緒

ご祭神は、日本神話の神様である素戔嗚命(すさのおのみこと)です。天照大御神の弟で、ヤマタノオロチを退治した荒ぶる神です。

創建は江戸時代の初期と伝えられています。詳しい経緯は不明ですが、かつては熊野大権現と称され、現在の地より南の、本宿村の総鎮守でした。

江戸時代中期の安永6年に、上円下方墳のあった現在の地に遷座しています。

本殿は当時のままのものが残り、拝殿は江戸時代の後期に再建と修復がそれぞれ行われ、現在に至ります。

境内の本殿北側にある「武蔵府中熊野神社古墳」は、国の史跡にも指定されている上円下方墳です。

飛鳥時代の7世紀中ごろに築造された古墳で、上円下方墳では国内で最古級のもので、国の文化財にも指定されています。2013年に埼玉の川越で山王塚古墳が見つかるまでは、国内で最大級の上円下方墳でもありました。

被葬者は不明ですが、武蔵国府設置直前に大きな力を持っていた人物のお墓と考えられます。

 

境内案内

南武線の西府駅を降りますと、古墳を推してます。駅から600mと書かれています。

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北口を出て歩くこと10分ほど。府中熊野神社に到着です。

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こちらが鳥居の正面です。参道の奥に社殿が見えます。ここからですと古墳は見えません。

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鳥居の右手には「本宿山車収納庫」と書かれた大きな山車庫です。

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鳥居の前には狛犬さん。こちらが左の狛犬さんです。

府中熊野神社の左の狛犬

 

こちらが右の狛犬さん。どちらもどことなく可愛い感じの狛犬さんです。

府中熊野神社の右の狛犬

 

一礼して鳥居をくぐります。縄が緑色というのも珍しいですね。

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参道を進みます。空が広いです。

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右手、社務所と思われる建物の前には立派な松です。

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参道を進みますが、まだこの時点でも古墳は見えません。

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右手の前方には、四本並んだ大きな木があり、目を惹きます。

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社殿にだいぶ近付きますと、その後方に何やら古墳ぽいものがあるのが目に入ってきます。

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右手に手水舎です。

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手水舎の手前には、府中熊野神社のご由緒。

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龍のいる手水鉢にてお清めをします。

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拝殿へと歩を進めます。拝殿と本殿は、府中市の指定文化財にもなっています。

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拝殿に施されている彫刻が目を惹きます。

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暖かい秋の陽射しの中、参拝します。

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拝殿を背にして参道を見ますと、こんな景色です。

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境内を散策してみます。拝殿に向かい左手に神輿庫です。

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拝殿を左斜め前からも。派手さはありませんが、趣があって惹きつけられる拝殿です。奥には本殿も見えます。

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そして、本殿の後ろにドカーンと古墳です!ついに念願の古墳とご対面。

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しばらく左側から古墳を眺めた後、右側に移動します。こちらは拝殿の右手にあった建物です。御守りなどの授与所でしょうか。

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境内の右手はこんな感じで、少し開けています。

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その先にある四本の木の、存在感が大きいです。

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木の先には境内社が二つ並んでいました。右が八衢比古神、左が八衢比女神と書かれています。参拝します。

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こちらか境内の右手から見た拝殿です。

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社殿の右奥から古墳に近づけるようでしたので、行ってみます。

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憧れの古墳が目の前に。

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けっこうでかいです。よく見ると古墳の中に続く入口のようなものも見えました。

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古墳の説明にも目を通します。

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右奥に小路が延びていましたので、そちらから古墳の周囲をぐるっと回ってみることに。

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この右側からが、古墳の全体像が一番見やすかったです。

武蔵府中熊野神社古墳

 

ぐるっと回って、こちらがちょうど社殿の反対側になります。古墳の前には鳥居です。

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鳥居越しに見る古墳も神秘的です。

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古墳をじっくりと眺めた後、来た道を戻ります。

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先ほどの四本の木ですが、その奥にはもう一本大きな木があり、全部で五本でした。

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境内を一通り散策しましたので、隣接している博物館のような建物に行ってみます。

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こちらは展示館でした。「武蔵府中熊野神社古墳展示館」です。

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しかし、なんとこの日は月曜日で定休日。せっかくここまで来たのに入れずです。ちゃんと調べて来なかった自分が悪いです。無念…。泣く泣く展示館は諦め、熊野神社を後にしました。

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参拝を終えて

念願の古墳をついに見ることができました。

人生で「古墳を見に行く」という行為をしたのは、僕はおそらくこれが初めてだと思います。

決して古墳について詳しいわけでもなく、特別な想い入れがあるわけでもないのですが、生で古墳が見れる、というだけで、なんだかテンションが上がってしまいました。

府中熊野神社の古墳は、そのロケーションもまたいいんです。神社があり、その本殿の真裏にドカーンと古墳がありますので、それだけで神秘的な感じがします。

位置で考えますと、まるで古墳が御神山のようにも見えてしまいます。

府中市の公式HPに上空からの絵がありましたので、そちらの方が全体像がわかりやすいかと思いますので、引用で載せてみます。

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(画像引用元:www.city.fuchu.tokyo.jp)

上からですと形や大きさもわかりやすいですね。

下からですと、意外と古墳の全体像がわかりづらいんです。

鳥居をくぐり、拝殿を正面から見ている時点では、古墳はほぼ見えないです。拝殿と本殿に隠れてしまってる形ですね。

ですので、一見すると普通の神社といいますか、古墳の存在を知らずに訪れたら、最初は気付かない可能性も大きいかと思います。左右に回ってみて初めて、古墳の姿が目に飛び込んできますので。

古墳に目を奪われがちではありますが、熊野神社の社殿も目を惹きました。本殿と拝殿がそれぞれ別の時代に造られたものが残っているとのことで、確かに建物の色などもはっきりと違っていました。どちらも江戸時代のものだそうです。拝殿に彫られた彫刻も見事なものでした。

また、境内の右手には、境内社の近くに大きな木が5本並んでいまして、家族のようにも見えて印象的でした。最初は4本かと思ったのですが、奥に一本あって5本でした。

そして目玉の武蔵府中熊野神社古墳は、やっぱりテンション上がりました。「大きなもの」というのは、それだけでテンション上がりますね。

最初に古墳を目にした瞬間には、思わず「おー」と喚声を上げてしまいました。

神社の裏にこんなものがあるなんて。

びっしりと石が敷き詰められた大きな塊が、忽然とそこにあるんです。とっても不思議な景色です。

上円下方墳というタイプの古墳とのことですが、わかりやすく言いますと、ぱっと見は「鏡餅」みたいな感じですね。

鏡餅の、下の餅が丸ではなく四角っぽくなってはいますが、それの超巨大バージョンです。

と、そんなふうに書いていますと、敷き詰められた石も胡麻のように見えてきて、まるで巨大な胡麻餅のように見えなくもありませんが。

できればもっと間近でじっくり見てみたかったのですが、古墳の周りには柵があって入れませんでした。よく考えれば当たり前のことではあるのですが、古墳に近づいて触ったりしている自分を、僕はここに来るまでに勝手に想像していましたので。

入口のような穴も見えましたので、中はどうなっているのか、とても気になるところでもあります。

古墳はぐるっと回り込んで見れるようにもなっていて、裏側には鳥居がありました。正面よりは裏側からの方が、古墳の全貌は見やすいかもしれません。一番よく見えるのは横からでした。

ものすごく欲を言わせて頂ければ、少し高い位置から古墳を見ることができるようになっていたら、さらに楽しめたかと思います。景観の問題など、実際そういうのは難しいのかもしれないですけれど。

とはいえ、初めての古墳を思う存分眺めることができ、じっくり堪能させて頂きました。

ただ一つの心残りは、古墳の展示館に入れなかったことです。

境内のお隣に国史跡武蔵府中熊野神社古墳展示館という、立派な展示館がありまして、せっかくなので見て行きたかったのですが、まさかの休館日だったんですよ…。

僕たちが訪れたの月曜日でして、展示館の休館日も月曜日。事前にちゃんと調べておけばよかった…。

そんな心残りはありましたが、それでも古墳を見れて大満足なので、良しとします。

西府の熊野神社と、武蔵府中熊野神社古墳。

訪れることができてよかったです。

 

御朱印

府中熊野神社では御朱印は扱っていません。

(※ご対応等変更になる場合もございますので、ご注意ください。)

 

アクセス

住所は東京都府中市西府町2-9-5です。

府中熊野神社の公式サイトはありません。

 

電車

JR南武線 「西府駅」から徒歩8分。

北口から徒歩8分程度です。

府中駅からバスで行くこともできます。京王バスの「谷保駅経由国立駅行き」に乗り「西府町2丁目」で下車、または同じく京王バスの「甲州街道経由第七小学校循環」に乗り「西府町2丁目」で下車しますと、どちらもバス停から徒歩4分ほどです。

 

駐車場

参拝者用の駐車場はありません。近くにコインパーキングがいくつかあります。

 

周辺のパワースポット

 

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